心療科・心療内科の主な病気と治療

睡眠障害(睡眠覚醒障害)

睡眠障害(睡眠覚醒障害)とは

睡眠障害(睡眠覚醒障害)

24時間、明るい状態で過ごすことも可能であり、時差に関係なく情報を得ることも可能である現代においては、人間が、明るい時間に活動をして暗くなったら休息をとる生態を持つ動物であることを忘れがちです。人間の身体のリズムは、夜に休息を取っていると、メンテナンスを行うようになっています。夜の睡眠の時間に、脳を中心に身体は、記憶の整理をしたり、身体の傷ついた部分の修理をしたりしています。
どのくらいの時間、眠れていなければならない、ということはありませんが、眠気が昼間の活動に差し障るようであれば、何らかの問題があるというように考えることが多いと思います。
睡眠障害のうち、よくある不眠は入眠障害(寝つくのに長い時間を要する)、中途覚醒と再入眠困難(何度も目覚め、目覚めた後に再び入眠することが困難である)、早朝覚醒(希望する時刻よりも著しく早く目覚めてしまう)、熟眠困難(翌朝の起床時に熟眠感がない)というように分けられます。不眠はうつ病のみでなく、精神疾患の初期症状として頻度の高いものの1つです。

診断

ご本人が睡眠について問題があると自覚されている内容やそのきっかけと感じていることがらを確認した上で、就床時間、入眠や中途覚醒、起床時間、昼間の眠気、飲酒状況など、睡眠の状態を直接に示す内容、及び、身体疾患、気分の状態やお仕事の状況なども問診します。
問診をしながら、医師の方は、リズムの問題であるのか、睡眠不足症候群であるのか、睡眠時無呼吸症候群など睡眠中の身体状態の問題であるのか、エネルギー低下、興奮、不安などの睡眠を妨げる精神疾患が生じているのか、アルコールなどの物質によるのかなど、考えをめぐらしています。

そして、当院でできる指導や処方で改善可能であるか、睡眠の専門の医療機関での検査・治療が必要か、睡眠以外の別の疾患の治療が必要か、ということまで診断の範疇になります。

治療

睡眠は人間の生態に従ったリズムが重要です。夜に活動して昼間に寝ていても、身体のメンテナンスが行われるわけではないからです。そのため、睡眠のリズムを整えることができるように、就業時間について職場で相談できれば最善です。
うつ病双極性感情障害などの状態によって睡眠が妨げられている場合には、精神疾患の治療が先になります。
「睡眠導入剤だけを処方してもらえれば良いです」とおっしゃって、リズムの調整や、気分調整薬や抗うつ薬などを嫌がる方もいらっしゃいますが、元々の疾患の治療を中心に治療した方が、結果的には改善が早く確実であることが知られています。
不安や葛藤などが不眠のきっかけになっている場合には、当院ではルーセントメンタルヘルスマネジメントでのカウンセリングを治療として併用されることをお勧めしています。

睡眠が浅いと感じておられる場合、うつ病双極性感情障害、不安などによって浅くなる場合もありますが、元々、睡眠が浅い方もいらっしゃいます。そのようなご自身の睡眠の状態を知るためには、睡眠の検査を行っている医療機関でご相談いただく必要があります。必要があれば、いつも当院がお世話になっている医療機関をご紹介します。
また、ご自身が希望される医療機関にご紹介いたします。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、睡眠の検査と専門機関でのフォローアップが必要になります。

ナルコレプシー(解説)のような特別な覚醒の問題については、当院では、検査も処方もできません。
疑われる場合には、睡眠を専門とする機関での検査と治療が必要です。

睡眠とリワークセンター

うつ病双極性感情障害によって休業された方が、リワークセンターを利用されることによって、昼間に知らず知らず寝ているところを観察される、あるいは、職場での仕事の負荷よりずっと負荷が低いにも関わらず、昼間に眠くなることをご自身で観察されることによって、睡眠時無呼吸症候群の可能性が見出され、専門機関で検査し治療、改善という経過をたどられることがあります。
リワークセンターでは、睡眠リズムの調節の資料として、また、ご自身の睡眠リズムを知っていただくために、リズム表をつけていただいています。
就業のために必要な決まった時間に、朝、起床するように調整しながら、何時頃に就床した方が良いのかを行動しながら模索していただいています。